213
Mastery
212
Maestrie
Biografi e (バイオグラフィー)
Stefano Micelli
p. 176
Stefano Micelliは、ヴェネツィ
アにあるCa’ Foscari大学の経済学
部のe-businessの教授である。中小
企業とイタリアの工業地帯における
新しいテクノロジーの普及をテーマ
にした研究を20年間続けている。デ
ジタルと製造におけるリサーチの分
野において、Banca IFISや財団法人
Make-in-Italyとのコラボレーション
により行われた数々のプロジェクトの
指揮を取り、更に、デジタルと新しい
製造のテーマとリンクしたhocセクシ
ョンの発展に関した「Maker Faire」
のイタリアエディションを三回に渡っ
て監修した。異なる書籍や記事を執筆
し、その中には「Futuro Artigiano,
L’innovazione nelle mani degli
italiani」があり、手工業とグローバル
経済の間におけるポジティブな混成
のテーマにおいてCompasso d’Oro
ADIで賞を受けた。
Manolo De Giorgi
p. 176
Manolo De Giorgi、建築
家、1989年、ミラノに彼の研究所を
設立し、改築、インテリアデザイン、ブ
ースデザインを専門に活動している。
雑誌「Modo e Domus」の編集者も
務めた。また数々の展覧会の監修を
手掛けた: Techniques Discrètes
(1991年)、 45-63: Un Museo del
Design in Italia (1995年), Marco
Zanuso (1999年) Camera con
vista (2007年)、Olivetti: Una bella
società (2008年), Magnifi cenza
e Progetto (2009年)、またそ
の際に関連カタログの編集も行っ
た。Carlo Mollino: interni in
piano-sequenza (Segesta, 2004
年)、 Design (Zanichelli, 2007年),
Enzo Mari (Il Sole/24 Ore, 2011
年)の著者でもある。2010年からは財
団法人 Bassettiとコラボレーション
を開始し、演劇Mani grandi senza
fi ne (Piccolo Teatro Milano, 2011
年) そして動画 Avanti Artigiani
(2014年)等の新しい表現的なメディア
を通じた手工業とデザインの関係を研
究している。
Gianluca Vassallo
p. 176
Gianluca Vassalloは、イタ
リアのサルデーニャ島にあるSan
Teodoroに住まい、そこを拠点に活
動を行っている。彼が気分を害する
ので、彼のことを写真家と呼んでは
ならない。関係性とプロセスの様相
に焦点を当てたビデオ、サウンド、写
真、インスタレーションを通じて表現
活動を行い、多くの彼の作品はイタリ
ア国内や海外の協会やギャラリーで
展示された。その中には、Caleum
Gallery, ニューヨーク (2017年);
Fondazione di Sardegna, カッリ
ャリ (2016年/2017年); Portuguese
Pavilion (ヴェネツィア建築ビエンナ
ーレ)、ヴェネツィア (2016年); Museo
dell’Emigrazione, アズーニ (2016
年); Foscarini Spazio Soho, ニ
ューヨーク (2015年と2016年);
Palazzo della Penna,ペルージャ
(2014年); Schauwerk Museum,
ジンデルフィンゲン(2013年と2014
年); Museo MAN, ヌーオロ(2014
年); Stadtgalerie, キール (2014年);
Temple of Hadrian,ローマ (2013
年); Masedu Museo,サッサリ (2013
年); Fondazione Meta,アルゲーロ
(2013年); Museo MART, ロヴェレー
ト(2012年); PAN, ナポリ (2010年)が
あり、また2013年の Premio Ternaで
受賞し、2014年のPremio VAFで特
別賞を受けた。彼のパブリックアートプ
ロジェクトには、Exposed (2013年),
Shoot Me Orlando (2016年), La
Città Invisibile (2016年)が含まれ
る。彼は又、自ら創設しアートディレク
ターを務めるWhite Box Studioを通
じて、彼や他の才能ある者の作品をイ
ンダストリアルデザイン、ファッション、
出版業界に関する会社や、文化的団体
に提供している。
Massimo Gardone
/ Azimut
p. 177
Massimo Gardoneはプロの写
真家で、画像のクリエイティブな解釈
を専門とし、商業的もしくは出版的な
プロジェクトと純粋な探求を区別した
活動を行っている。長年グラフィック、
ビデオ、デザインをミックスした視覚的
コミュニケーションに携わり、まるでそ
れらがサウンドの様な感覚で写真を用
いてイメージを形作る。著名なイタリア
人のグラフィックデザイナーとコラボレ
ーションを行い、高級ブランドの広報
活動に貢献した。Infi nityビデオの企
画と同様に、N+N Corsinoのビデオ
の写真ディレクターでは質の高い仕事
が称賛され、2011年度のCompasso
d’Oro ADIとInspireでは選外佳作賞
を受賞したが、どちらもFoscariniの
ための作品が認められた。イタリアや
海外の博物館やギャラリーにおいての
個展や、コレクティブな展覧会に作品
が展示された。
Artemio Croatto
/ Designwork
p. 177
視覚的コミュニケーション、グ
ラフィックデザイン、コーポレートア
イデンティティー、芸術監修: 2002
年、ウーディネにアートディレクター
Artemio Croatto によって設立さ
れたstudio Designworkの活動範
囲は、これら全ての分野に及ぶ。顧客
には国内外で名を知られる有名ブラ
ンド、大手出版社、文化的機関等があ
る。2010年にFoscariniはArtemio
Croattoを、2014年にCompasso
d’Oro ADIで賞を受けた出版プロ
ジェクト「Inventario」のアートディ
レクターに抜擢した。2013年には
ロヴェレートにある博物館MART
や、Designworkに様々な展示会やカ
タログの画像管理と情報伝達を委任し
た出版社Mondadori Electaとのコ
ラボレーションが開始された。Hearst
Magazine Italiaでは雑誌「Home」
のグラフィックプロジェクトの企画や、
「Elle Decor Italia」のレスタイリン
グを委任した。2016年にはGalleria
Nazionale d’Arte Moderna e
Contemporanea di Romaのロゴ
製作とイメージコーディネートを行い、
それ以後、彼の事務所は博物館の展
示会やイベントの広報に携わるよう
になった。2017年にはTreccaniは
Treccani.itのポータルのグラフィック
のレスタイリングを委任し、また、ビエ
ンナーレは彼に、ヴェネツィア映画祭の
展示会のグラフィックイメージとオープ
ニングクレジットの制作を委任した。
参考文献
(1) Luigi Pasinetti著
「Dinamica strutturale e
sviluppo economico」、Utet トリ
ノ、1984年、 314-315ページ
(2) Andrea Branzi、
「Modernità debole e diff usa」、
Skira、 ミラノ、2006年、 53ページ
Mani nere (黒い手)
— Gianluca Vassallo
p. 156
私が子供だった頃の父を思い出
す、金属細工人の長椅子に座り背中を
丸めていた父のことを、ネオンの冷た
い明かりが彼の大きな手を照らし出し
ていた。使い果たした樹脂により真っ
黒になった彼の両手を覚えている、炎
によって黒ずんだ小さなハートを片方
の手で握り、反対側の手でブラシがけ
をしていた。カラビニエーリのカレン
ダーと同じ釘で留められていた祖母が
集めていた聖人画に囲まれた父を見て
いた自分自身を覚えている。姉が子供
の頃の写真の上にあったマラドーナの
写真が聖人画の近くにあったことを覚
えている。私はそこにいてブラシがけ
の音と酸の匂いと母の小言に耐えてい
た。意志の力に打たれていたあのハー
トの事を覚えている、熟練した技を持
つ真っ黒な手の中で黄金の光を放つた
めに打撃に耐え続けていたあのハート
の形を。それ故、私は注意深い魂を持
つ人々の忍耐強い仕事を、細心な仕事
人達を、彼らが労苦した場所を、埋め込
まれた印を写真に撮るようになった、
一つの動作毎に威厳で輝いていた彼
らの大きな手の中にハートを見出すた
めに。私の父の手、これまでにそれを
見る事無く、それをするための言葉も
なく、あの日の世界の驚きを私に教え
てくれた。
Visioni istantanee (スナップ
ショットのヴィジョン)
— Massimo Gardone
p. 158
写真撮影の古いジェスチャーを
回想中に、質の高い職人技を用いるこ
のプロジェクトの中に自分自身をも再
び見出した。Foscariniの空間は撮影
セットへと変化し、8×10のオプティカ
ルベンチと生産サイクルの終了を記録
するB&Wインスタントフィルム。消灯
したstill-lifeの照明器具、まるで彫刻
の様、素材を明らかにし、洗練された
仕上げを裏付ける。それは同等のゲー
ム、写真家の手仕事の場所、オプティ
カルベンチの使用、工員が行う職人技
と重なる。
Informazioni tecniche
(技術的情報)
Aplomb + Aplomb Large
— Lucidi と Pevere, 2010/2016
p. 173
シェードは形態学的に見て吹きガ
ラスのオブジェが持つ輪郭を保持して
いますが、その製造には、厚みがあり
家庭用品向けの仕上げが施されたセ
メントが技術的に用いられています。
特徴の一つである最終的なサンドブラ
スト処理はセメントから全ての荒々し
い印象を取り除き、そして他の特徴で
ある不規則に開いた砂粒の様な穴に
よりコントロールされた素材のイレギ
ュラー感が強調され、其々の照明器具
を唯一にし、他の物と僅かな違いを与
えています。
Buds
— Rodolfo Dordoni, 2016
p. 173
特徴が寒色(酸化鉄とミネラルの
混合から得たブラウンとグレーとグリー
ン)であるガラス-塊の探求は、調度品
用の素材のトーンを用いることにより、
オブジェー照明器具に最大限融合させ
る目的で行われました。職人による吹
きガラスの製作中に異なる五つの層を
オーバーラップさせ、照明器具に高級
な装いと消灯時と点灯時で異なる色彩
的効果を与えています。
Gem
— L+R Palomba, 2017
p. 173
リッチなテクスチャーは、吹きガ
ラス職人がガラスを回転させることの
できない型吹き技法の複雑なプロセス
から得られます。レリーフと3次元的な
ファセットが、センターラインから勢い
を増しながら上方へそして下方へと向
かう様はまるで連続する波の様です。
Gregg
— L+R Palomba, 2007
p. 173
吹きガラス職人が高温の素材を
回転させることが出来ない状態で、本
質的な丸みを持った形を形成する型吹
き技法で製作され、生命を宿した有機
物の構造を真似ることを可能にさせま
す。幾何学的な定義を持ったクラシッ
クな類型ではなく、形態論的にバイオ
ロジカル-鉱物に比例する泡-小石に
近い不定形なシェードが「親しみを」感
じさせるモデルです。
Lumiere
— Rodolfo Dordoni, 1990
p. 174
約30年間の系譜が、属と種のコ
ンセプトを成長そして強化させた照明
器具のシリーズの変化を物語ります。
ある種と他の種の違いは小さなタイポ
ロジーのシフトであり、プロポーション
とディメンションの違いは、手作業で
仕上げられたプレス鋳造の艶消しアル
ミニウムのフレームと、ヴェネト州の吹
きガラス職人の巧みな技を持つ手の中
で回転されて作られた吹きガラス製の
シェードの間に存在する、弁証法的な
関係を中心として常にその周りを廻っ
ています。
Mite
— Marc Sadler, 2000
p. 174
グラスファイバー製の変動的な円
錐曲線の形を持つフレームの上に、黒
い炭素繊維糸かイエローKevlar®が巻
き付けられ、上部にあるアルミニウム
製の反射機能を持つ放射線型のエレメ
ントが光源を収納し、上方へと光を放
ちます。円柱形の照明器具の伝統的な
類型のボリューム全体を再考すること
により、重量を減らすことが出来たの
は正に現代技術の恩恵と言えます。
Rituals
— L+R Palomba, 2013
p. 174
この照明器具が持つホワイトトー
ンは和紙で作られた日本の照明器具
に似ています。テーピングが施された
様な外観と如何なる欠点も見逃さない
注意深い手作業による加工のおかげ
で、「石膏」のような柔らかさのある光
が「穏やかな」輝きをもたらしていま
す。外側の溝のイレギュラーな効果は
凹状の模様を持つ鋳型を通じて得ら
れ、Isamu Noguchi による照明器具
の竹ひごの骨組みの水平ラインを思い
起こさせます。
Tartan
— L+R Palomba, 2015
p. 174
エッチング仕上げが施されたガラ
ス製のシェード、コントロールされた形
がデザインを、スコットランドの生地の
柄を真似た立体的なラインにより強調
された表面装飾の要素を持つテクスチ
ャーのトピックスへと移行させていま
す。鋳型の内側にある刻印によりもた
らされたキアロスクーロ効果が、ガラス
の表面を揺れ動いています。
Twiggy
— Marc Sadler, 2006
p. 175
伸縮性のあるラインが最大290
cm の高さに達する室内照明に最適な
大型の照明器具、アームの前方へのカ
ーブは、グラスファイバー製のシェード
と一連となったカーボンファイバーの
支柱の柔軟性によって得られました。
この様にしてユニークでスケール外の
照明器具が誕生し、調和的な振動もデ
ザインの一環です。
Tress
— Marc Sadler, 2008
p. 175
構造上の役目を持つファイバー製
のオーバーラッピングされた幅の異な
る5本のリボンは、伝統的なアラビア風
の穴の開いた金属製の照明器具に新
しいルックを与え、グラスファイバーと
カーボンのストリップによって作られ
た円筒形の柱のデザインは、壁と天井
に反映された光と影の遊びに変化をも
たらします。